私の父が、ガンのために日々弱って行く過程を見るのが辛かったです。少し前までできていたことが、今日はできない、それを認めることがなかなかできず、目をそらしたかったです。
先生もわたしを傷つけないように言葉を選んでくださいましたが、現実を見ればうすうす私にも、本人にも先の短いことは分かりました。それでも、もうダメだとは誰も言えず、しかしまだ大丈夫というような白々しい言葉ではなく、食べられてよかったねというような心からの言葉を探すのが難しかったです。
ですが毎日、患者本人をみることです。
今日見なければ明日はもっとできないことが増えるから、見るのが怖くなるので毎日少しずつの変化をしっかり見るようにしました。
眠ってばかりになってきたり、食べられなくなってきたり、少しずつの変化を見て、父親とそれを話していました。
今日は眠い日だね、いっぱい寝て治したらいいよねとか、昨日より食べられなくなったけど、その前にたっぷり食べすぎたもんね、というように希望を交えて話しをしていました。
耳は最後まで聞こえていると言います。反応がなくなっても、もうダメだというネガティブなことは言わず、いつでも患者さんが聞いていると思って話をしてください。言葉や行動には出さなくなっていても、幸せに感じていますよ。